小児アレルギー疾患

アレルギーとは

私たちの体には、ウイルスや細菌などの異物が体内に入ってきた時に、これらを攻撃してやっつける機能が備わっています。ところが、細菌に対してだけでなく、私たちが口にする卵や牛乳、小麦、特定の植物の花粉などに対しても過剰に反応し、攻撃し過ぎてしまうことがあります。このようなマイナスの症状を引き起こしてしまうのがアレルギーです。本来なら体を守るはずの免疫反応が、自分自身を傷つけてしまうアレルギー反応に変わってしまうわけです。

アレルギー疾患を治療します

当院では、アレルギー物質によって引き起こされる疾患、例えば気管支喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、花粉症などの診断と治療を行います。気になるアレルギー性の症状、またはアレルギー性の可能性がありそうな症状がみられたときは、早めにご相談ください。
また、7月1日以降、当院でもスギ・ダニの舌下免疫療法が実施可能になります。舌下免疫療法に関しては下記サイトを御参照ください。
※舌下免疫療法の適応は5歳以上になります。

舌下免疫療法について

当院にて診療可能な代表的なアレルギー疾患

  • 気管支喘息
  • 食物アレルギー
  • アトピー性皮膚炎
  • アレルギー性鼻炎・花粉症
  • アレルギー性結膜炎
  • じんましん
  • など

気管支喘息

空気の通り道である気道に炎症が起きてしまうアレルギー疾患です。この病気になると、「ゼーゼー」、「ヒューヒュー」という苦しそうな音が出てきます。気管支喘息の患者さまの気道は過敏になっており、ダニやハウスダスト、ウイルス、タバコ、冷たい空気などによる刺激が加わると、気道は狭くなります。そのため、咳が出たり、息苦しくなったりします。
治療に関しては、主にお薬を処方します。また、生活環境で改善できる点がないかを家族の方と一緒に考えさせてもらいます。お薬としては、発作を予防するために定期的に使う長期管理薬と、発作が起きた時に症状を鎮める発作治療薬の2種類がありますので、症状を見ながら使用します。

食物アレルギー

食べ物が原因となって引き起こされるアレルギーです。主な症状は、じんましんなどの皮膚症状、喘鳴などの呼吸器症状がよく知られていますが、その他にも、目や鼻、消化管などに影響が出ることがあります。原因となる食べ物には、卵、そば、魚、乳製品、エビ・カニ、小麦、ピーナッツ、大豆などがあるので、血液検査で診断します。
原因食材が見つかったら、症状発現の予防のために行う食事療法と、症状が発現した場合に行う薬物療法があります。食事療法は、医師の指導のもとで、必要最小限の食物除去を行います。症状を起こさずに食べることを目的とし、必要以上の除去をしないようにします。原因となる食べ物を少しずつ食べていくことで、将来的なアレルギーの克服を目指す方法で、「経口免疫療法」と呼ばれます。アレルギー症状発現時の薬物療法としては、抗アレルギー薬の内服等があります。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、痒みのある湿疹を特徴とする皮膚疾患であり、良くなったり悪くなったりを繰り返します。多くの患者さまが、皮膚が乾燥しやすい要因と、アレルギーを起こしやすい体質を併せもっています。治療においては、薬物療法が中心となります。ステロイドの塗り薬や免疫抑制薬の塗り薬によって炎症を抑えていきます。痒みを抑えるため、飲み薬の抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を補助的に用いることがあります。

アレルギー性鼻炎

アレルギー症状を引き起こす原因物質が鼻の粘膜で過剰に反応すると、アレルギー性鼻炎や花粉症になってしまいます。一般的な風邪とは異なり、のどの痛みや熱などは伴いませんが、くしゃみ、鼻みず、鼻づまりなどの症状が起こります。原因に関しては、家の埃やダニ、花粉(スギ、ヒノキなど)、ペットの毛やフケ、カビなどが代表的です。アレルギー性鼻炎の症状を軽くするには、先に挙げたアレルギーの原因にできるだけ曝されないように工夫することが肝心です。その上で、抗アレルギー薬の内服や鼻スプレーで症状を抑えていきます。

じんましん

かゆみの強い、丸っぽい形をし、わずかに盛り上がったみみず腫れが出来る皮膚疾患です。多くは痒みを伴いますが、チクチクとした痛みや、熱く焼けつくような痛みが生じることもあります。食べ物や内服薬、細菌、ウイルス感染などが原因となりますが、多くが原因不明の特発性とされています。治療に関しては、主に抗アレルギー薬を使用します。多くの人は数日で症状が治まりますが、慢性化して長期に続く場合もあります。その場合には、当面の間は薬を飲み続けて、症状を見ながら徐々に薬を減らしていくことが大切です。

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